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警告とは?/ キャッシュワン

[ 643] ウォールストリート日記 : Soros氏の警告?
[引用サイト]  http://wallstny.exblog.jp/7133434/

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なかなか興味深い内容だったので、以下にその記事の抄訳を載せて見たいと思います。(原文も最後に添付します。)
今日の金融危機は米国の住宅バブルによって引き起こされた。この危機は、第二次大戦後に何度か見られたような金融危機と似ている側面もあるが、一点だけ今までと大きく違うことがある。それは、この危機が、ドルを世界の基軸通貨とすることによるアメリカの信用拡大の時代の、終焉を意味している点である。
経済活動においては小さなバブルの形成と破綻は普通に繰り返されるが、今回の破綻は、戦後60年間膨れ上がって来た、「スーパーバブル」と呼ぶべき信用拡大の終焉を意味する。
バブルの形成は、常に信用形成とリスクの誤認によって行われる。信用が拡大することで資産価値は上昇し、それが更なる担保価値の上昇をもたらすわけだ。そして住宅の購入が、その転売を期待してのみ行われるようになったとき、いづれ弾けるバブルの形成が始まる。
今まで信用の過剰拡張が問題に突き当たると、金融当局が常に介入を行い、流動性を供与して景気を下支えして来た。しかしこのような当局の行動は「モラルハザード」を生み、その結果として、繰り返し信用拡大が行われる結果となった。
このシステムはあまりにうまく機能して来たので、人々はロナルド・レーガンが「市場のマジック」と呼んだ仕組みを心底信じるようになっていた。私はこの考え方を「市場原理主義」と呼ぶ。市場原理主義とは、市場参加者が、各々の利益最大化を目指して行動すれば、市場は均衡点を見つけるだろうという考え方だ。
これは、明らかに間違った考え方である。というのは、このシステムは、政府の介入なしには機能しないことが明らかだから。にも関わらず、市場原理主義は80年代から圧倒的なイデオロギーとなり、市場はグローバル化して、またアメリカは外国への借金を拡大して国内の信用を拡大して行った。
言い換えると、グローバリゼーションは、アメリカが世界中から貯蓄を吸い上げ、自国内で作り出せる価値以上の消費を行うことを可能にして来た。その結果、経常赤字額は2006年時点でGDPの6.2%にも及び、また金融市場は消費者に、あらゆる手段で有利な借り入れをすることを勧めてきた。そのプロセスを、金融当局は介入によって下支えして来たわけである。
この「スーパーバブル」と呼ぶべき信用拡張は、金融商品が非常に複雑化し、当局がその価値を計算出来なくなって、リスクマネジメントを金融機関に頼らざるを得なくなった時点で、手に負えなくなった。同様に格付機関も、自らの判断で行うべき金融商品の価値計算を、その商品を組成し販売している、証券会社に頼らざるを得なくなったのである。これは驚くべき「責任放棄」と言えよう。
サブプライムローン問題はCDOの問題に派生し、地方政府や住宅ローン保証会社、再保険会社などを直撃し、数兆ドルに及ぶクレジットデフォルトスワップ市場にも多大な影響を及ぼした。投資銀行のLBOへのコミットメントは負債となり、市場の上下から影響を受けないはずのマーケットニュートラル戦略のヘッジファンドは、マーケットニュートラルではなかったことが明らかになって破綻に追い込まれた。ABCPマーケットは干上がり、リスクの高い資産をオフバランス化して資金調達をする手立ては閉ざされた。
そして決め手の一発が、金融システムの根幹とも言える銀行間貸出市場(インターバンク市場)が、各行が自分の問題処理に忙しく、また他行を信用できなくなったことで、機能しなくなってしまったのである。
その結果中央銀行は、今までには考えられないような多額の資金をインターバンク市場に注入し、また担保価値をあらゆる資産に認めることで、金融危機を回避しようと躍起になった。その結果今回の危機は、第二次大戦後で最悪のものとなった。
信用は今後しばらくの間、縮小の方向に向かうだろう。危機後に提唱されている資金調達手段は不完全で、生きながらえるのは難しいだろう。
アメリカ中央銀行が景気を刺激する手段も、最近になって外国政府がドルを準備資金として買い集めることを止めてしまったことで、その効果を失うだろう。投資家は今までFEDが何とかしてくれると期待して来たが、今回ばかりはそれが現実的ではないことと理解しなければいけない。
石油、食料、その他のコモディティの価格が堅調で、かつ人民元のレート上昇が加速している今、FEDはインフレ懸念についても真剣に検討しなければならない。FFレートが一定レベル以下になれば、ドルは売り圧力を受けることになり、長期金利は下がるどころか上昇することになるだろう。そのレベルがどこか見通すことは難しいが、現実になればFEDは完全に景気刺激手段を失い、機能不全に陥るだろう。
先進国の不景気入りがほぼ確実となってきた今でも、中国、インド、その他の産油国は好調を維持している。よって今回の金融危機は、グローバルな景気後退をもたらすのではなく、米国の相対的な地位の低下と途上国の地位向上という、グローバル経済の「再編成」を引き起こすだろう。
世界にとってリスクなのは、その結果政治的緊張が上昇し、アメリカが保守主義に陥って、グローバル経済を混乱させるか、最悪の場合は世界経済を不景気に引きずり込むことである。
・・・かつてイングランド銀行を攻略し、アジア通貨を大暴落に陥れた同氏が主張しているのは、要はアメリカがドルを機軸通貨とすることで自らは信用拡大を行い、資産価値と消費拡大をすることによって支えられて来た戦後の世界経済システムが、今回の危機で崩壊するだろうという話だと思います。
このようなアメリカの今後に対する悲観論は、アメリカ政治がネオコンと呼ばれる新保守層に牛耳られ、イラク戦争に突入した頃から、欧州、ロシア、中東などで、急速に高まったようです。
例えば最後の方で、中国を代表とする途上国は今回の金融危機とは無関係だとありますが、世界中にメイドインチャイナの商品が溢れている今、欧米の景気が後退して中国が全く無傷というのは、考えにくい気がします。日本にとっての最大の貿易相手国も今や中国だそうですが、それは日本から中国に部品などが輸出され、そこを経由して最終製品がアメリカに輸出されているだけなのかもしれません。
またコモディティ価格の堅調さについても、例えば石油価格上昇の背景には、当然中国の好景気による需要拡大という要因もあったでしょうが、同時に先進国の好景気や、インフレ懸念による先物市場での投機的値上がりといった面も大きかった気がします。だとすると、先進国経済が減速すれば、需要減やインフレ懸念の後退から、価格は急速に下落するかもしれません。
そうに考えると、同氏が指摘している「デカップリング論」も、また米国内のインフレ懸念も、成り立たなくなる気がします。
そもそも戦後の世界経済は、まず日本やドイツ、最近では韓国や台湾といった国々が、内需を拡大することなくアメリカへの輸出を拡大し続けることにより、成長して来たという事実があると言える気がします。もしアメリカが、金融危機なり財政危機なりの理由によって信用拡大と消費大国の立場を捨てたら、そのことが世界経済に与える影響は計り知れません。
ドルに変わる基軸通貨としては、ユーロや人民元を指摘する声がありますが、現在の経済システムで機軸通貨化を実現するには、ユーロや人民元は大幅な値上がりが避けられず、更にはユーロ圏と中国が、現在のアメリカのように、内需主導、経常赤字の体質に変化する必要があると思われます。それが近い将来実現することは考えにくく、むしろ通貨上昇が、ヨーロッパの輸出産業を痛める結果になっているようです。
そう考えると欧州や中国などの国々が、本気で米ドルの基軸通貨外しを目指すと考えるのは、あまりに単純な気がします。
万が一アメリカ国民が「世界からの嫌われ者」になっている現状を看過し続けて、世界中が本格的にアンチアメリカに傾いたとしても、Soros氏自身が最後に指摘しているように、アメリカはその強力な政治力を駆使して、事態の収拾に躍起になると考えた方が現実的かもしれません。
Soros氏は以前からブッシュ政権にも極めて批判的ですし、このような投稿をFTにする様々な理由があるのでしょうが、このような発言の裏でユーロ売り・ドル買いを進めているのではと邪推したくなるのは、私だけではないかもしれません。
日本は輸出国で、常に円買い圧力が存在するでしょうから、それを相殺して為替を安定させるには、経常的な円売りドル買い、つまりアメリカ主導の「スーパーバブル」に依存せざるを得ない気がします。
輸出主導型経済を推進しつつ、バブル崩壊で国内経済が混乱した後も間接金融中心で進んでいることが、企業のディフェンシブな経営体質を生み、賃金上昇への抵抗感を生み、そしてデフレと円安を招いていると考えることも出来るかもしれません。
そのシステムの修正なしに利上げをしてみたり、また市場機能が為替水準を調整してくれると考えるのは、あまりに楽観的過ぎるかもしれません。
中国については物価上昇により、人民元や賃金を上げないと、安い労働力も東南アジアなどに流出する可能性が出てきますね。
安い労働力を農村部から沿岸部に人材を調達してましたが、その政策も苦しくなってますね。物価上昇にともない労働者も自殺者が続出したりしているそうです。
僕が富士通総研のコメントを読んで感じたのは、通貨政策、あるいは日本の産業構造の是非はともかくとしても、日本の製造業に近い業種の現業に携わる立場に立つ人間の偽らざる本音が如実に出ているな、ということなのでした。多少矮小な話なのですが、ね。
今、日本全体としては全くビジョン不在の状態です。仰るとおり、この状況(福田政権の弱体な指導力)が続く限り他国の経済政策に振らされる展開が続くのは確実と思います。決して福田康夫その人に失望しているわけではないんですが。
ソロスについてのコメント、ありがとうございました。ご指摘の通り、同氏は以前より、市場原理主義を批判していますね。「俺がこんなに儲けられるのはおかしい」とでも言わんばかりです。
ただ、アメリカの大富豪が相続税(デスタックス)の廃止に賛成しているのは、「既得権擁護」という説もあるようですが・・・。これも一種のポジショントークですかねぇ?
引退されて久しいので立ち止まってお話ししたことはありませんが、息子さん(ロバートさん)もとても素直な感じですし(既にCIOを譲ったようですが)、結構失敗も多いと思います。ただ、失敗してもさらにスケール・インする投資スタイルで、ただでは起きない、というまぁ、強引な方法論という事でしょうか(笑)結果大きな仕掛けをしているように見える...という解釈はできませんか?(あくまでも私見です)

 

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